大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)765 判決

主 文

原判決を破棄し、第一審判決を取消す。

本件訴を却下する。

訴訟の総費用は被上告人の負担とする。

理 由

職権により調査するに、本訴は金沢地方裁判所が申立人D信用金庫、被申立人訴

外E及び被上告人間の昭和二九年(ケ)第一三四号不動産競売申立事件につき、被

申立人両名を相手方として発した本件不動産の引渡命令に対し、被上告人より同人

は右不動産の所有者ではなく、かつ前記Eが本件不動産につき抵当権を設定する以

前からの賃借人であることを理由として、右命令に基づく執行の排除を求めるため

に提起された第三者異議の訴であることは記録上明らかである。

しかしながら、右引渡命令は競売法三二条二項によつて準用される民訴六八七条

によつて発せられたものであつてその性質は執行の方法にほかならず、従つて該命

令の相手方とされた者が前記のような理由に基づいてその執行の排除を求める場合

にも、右引渡命令を発するに際し審尋または口頭弁論を経たか否かにより、同法五

五八条所定の即時抗告または同法五四四条所定の執行方法の異議によつて不服を申

し立つべきものであり(昭和七年一〇月四日大審院決定、民集一一巻一八九七頁参

照)、第三者異議の訴によつてこれを主張することは許されないものと解するのが

相当である。

してみれば、本訴は不適法として却下を免れないものというべく、この点を看過

して本案判決をした一、二審判決はともに失当として取消、破棄すべきものである。

よつて、民訴四〇八条、三八六条、三九六条、九六条、八九条に従い、裁判官全

員の一致で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

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